徒然なるしらべにのって!

あの地平線 輝くのは どこかに君を 隠しているから

懐かしき出逢いが成長の肥やしでした

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ブルガリアの風景

大学時代、ブルガリアのソフィア大学に留学したいなあと思っていた時期があった。ファシズム研究の権威であった山口定教授から「そこへ行ってもファシズムの研究はできないと思うよ」と言われたのを覚えている。

 

初代大統領になったディミトロフの著『反ファシズム統一戦線』に触発され、レジスタンスの研究をしたっかたのですよ。でも、結局かないませんでした。

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わたしは、大学時代に反核平和運動団体である「オリーブ」というグループを立ち上げました。おりしも軍縮学連が多くの大学に結成された頃で、ヨーロッパへの中距離核ミサイル・トマホークの配備が問題になっていました。ヨーロッパでは、「緑の人々(緑の党として知られる)」が反核運動を、特にドイツで主導していました。

 

わたしの後輩で部長を務めていた学生を、ヨーロッパでの反核10万人行動に参加させるべく街頭でカンパを募り、おかげで幸運にも派遣できたのです。彼が、帰国してあちらこちらから報告してくれないかと招かれ、また、公園などで報告集会も主催しました。

 

そんな頃、わたしは多くの方とお会いすることができ、それも本当に貴重な出会いばかりでした。栗原小巻さんが出られた映画にもなった『サンダカン八番娼館』を書かれた山崎朋子さんとの出会いも本当に有意義な時間でした。よく「遊びにいらっしゃいね」と優しく声をかけていただきました。彼女は、本当に簡単ではない人生を生きてこられました。とても学びの多い出会いだったと感謝しています

 

また、「反核産業人の会」という、企業の社長さん達で作られた組織があって、学生が真面目に反核運動してるぞと興味を持っていただき、交流が始まりました。ほとんど語られない戦時中の反戦活動家や反体制活動家の話をたくさんしてもらいました。中でも、堺市におられた宝木武則じいちゃんには、よ〜くお供させてもらっては昔話を聞かせてもらいました。

 

彼は、エスペランティスト(世界語を目指して作られた言語)で、偉大な功績をお持ちでした。日本共産党が最初に戦時下の日本に持ち込み、翻訳したとされていたディミトロフの『反ファシズム統一戦線』、それは真っ赤な嘘でエスペランティストであった宝木武則じいちゃん達であったんですよ。1985年8月、反ファッショ人民戦線五十年を記念し、ブルガリアから国賓待され、デイミトロフ勲章とパルチザン勲章を授与されたのです。

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2007年に永眠されましたが、いつもお茶目で優しく、でも苦難に満ちた過去をお持ちのおじいちゃんでした。色々な貴重な過去の話を聞かせてもらいました。今もわたしの宝物です。例えば、宝木さんの同志でもあった米国在住のカール・ヨネダ氏や石垣綾子さんが『オリーブの墓標』にお書きになったジャック・白井氏の話は、本でも得られない感動の話でした。

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在日2世たちは、第二次対戦のさなか米国で本当に苦労されたわけですが、そんな中からスペイン市民戦争にレジスタンスとして馳せ参じ戦ったジャック・白井氏の生き様はわたしの人生に大きな刺激を与えました。

 

学生に頃ですから、本当の意味で世間を知らないでしょ。学生の先頭に立ってはいても自信があるわけではない、ないわけですよ。これらの出会いの最大の学びは、百折不撓(ひゃくせつふとう)とでも言いましょうか、そんな気概を作り上げていくモチベーションを与えてくれたわけですね。

 

日本での教育では、「奥ゆかしさ」「控え目」「婉曲」を良しとすることを教わりますから、諸外国の若者のようにはっきりと自信のある自己主張をするなど美徳としませんから、若者が自信に満ち溢れた姿を世に見せられるなんぞは、稀有なことなんですよね。

 

でもこれだけSNSが発達し、個人がメディアになれる時代ですから、陰で卑屈にも炎上に加担したり、いじめをしたり、ヘイト発言をしたりするような輩は別だけれども、若者にも自己主張をする場は、わたしたちの時代とは違いいっぱいあるわけですよ。

 

SNSを提供するYouTubeFacebookのような企業は私たちを利用してお金儲けをしているかもしれませんが、若者はそれを利用しつつも自分たちの幸福のために使う知恵と術を持っていると確信しています。

 

でわでわ