徒然なるしらべにのって!

あの地平線 輝くのは どこかに君を 隠しているから

カリカチャー生成アプリMakeMe:市場投入への道 (1)

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MakeMe

 韓国でB2Cのオンライデパートが多くのアクセスを獲得していた頃(1990年台後半)、同時にそのサイトで使えるアバターが人気を得ていました。これが、Yahooなどでも自分の好みのアバターを福笑い形式で、顔などのパーツや髪の毛そして服を着たボディの中から選んで作成しサイト内で使えるサービスが出始めました。現在はLINEのサービスでもありますよね。

 

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LINEアバター

アバターを楽しむのは、韓国では中学生や高校生が年齢層としては中心でした。あるとき韓国の最大手キャリアを有するSKグループ(日本でいうところのDocomoにあたります)から、わたしに連絡が入り、「面白いソフトウェアがあるんだけれど話に来ませんか?」というので、とりあえずみてみることにしました。

 

SKグループは、わたしがガートナーの「エンタープライズ・アプリケーション戦略」担当のアナリストをしていたときに、韓国情報産業連合会の李ヨンテ会長(三宝コンピュータ会長、当時Trigemという低価格PCの火付け役でSOTECの筆頭株)の招待で、ソウルで講演をさせていただき、SAPを導入中のサムソンからプロジェクトで困っているので助けてくれと言われて訪問した時にわたしを知ったそうです。

 

SKグループとの会議で見た時のものは、2Dと3Dの両バージョンでした。顔写真からそれを分析しアバターを作るという以外、詳しいことはSKグループも理解していなかったようです。当時非常に珍しいソフトウェアだったので、韓国まで行って詳細を確認したいと思いました。

 

このソフトウェアのコンセプトは、パスポートタイプの正面写真を入力すると、輪郭と顔のパーツ(鼻、目、口)を分析し、データベース化された数百の顔パーツから近似値に相当するもの選びだし配置するという、福笑い形式とは違った「似顔絵」的なキャクターを生成してくれというものです。気に入らない顔のパーツは後から変更が効くし、タトゥーやメガネをつけたり、髪の毛の形や色も変えられるんです。そして、正確には「似顔絵」というより「カリカチャー」つまり特徴を若干誇張する技法を使っています。

 

これは、さまざまな楽しみ方があると確信し、なんとかしてビジネスにしたいと思いました。しかし、開発者は数百万の手付けと引き換えに、使用権を渡すというのではたと困りました。どうやって数百万を捻出するかです。

 

知り合いに相談をしました、そしてその中で「データイースト」というアーケードゲーム一世風靡した会社の名が上がりました。早速アポをとってもらって、プレゼンに行ったのです。そして再度ミーティングを持ち、別の関係者にも見せたいというので再度伺うことになりました。

 

2度目の会合では、投資家さんたちが参画していました。後でわかったのですが、「データイースト」は、破産状態で傘下にあった携帯のバッテリーの金属ケースを加工する会社が目当てで上場したばかりの「フォトニクス」という半導体検査装置の製造会社の柄澤社長とM&A会社が事実上管理をしていたのです。柄澤社長の目に止まったようで、ベンチャーを作ってそこでこのソフトウェアを使ったビジネスをしようと認めていただき、わたしは事業部長としてリードすることが決まりました、

 

まずは、ソフトウェアの確認と提携の交渉を韓国に行ってやりましょうということになり、私と社長で飛びました。ソウルのSKグループのオフィスで先方(名前を忘れてしまいましたm(._.)m)とSKグループとの間で、まずソフトウェアのプレゼンを拝聴し質疑応答をしました。わたしは、改良は必要だけれども日本市場でのニーズはあると確信しました。

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韓国SKグループ

それで、手付金を払う約束と手付金確認後1ヶ月以内に版権を引き渡すことで合意をし、日本に戻ってきたのです。ところが、着手金支払い後待てども版権を送ってこない。わたしは業を煮やして、紹介者のSKグループにクレームを出しました。

 

そうしたら、「彼らはすでに版権を他社に販売してしまっていた」と報告が入りました。わたしは顔面蒼白になりました。詐欺だったわけです。でも。天下のSKなら事前に調べておくべきじゃあないでしょうか?さんざん文句を言いました。そうしてやく半月して、「現在の版権所有企業が見つかりましたので、韓国に来てください」というので、再び飛ぶことになりました。

 

前回同様にSKグループのオフィスで会うことになりました。部屋には、SKの連中と金ヨンサム社長(ポド株式会社)が着席していました。金社長は、非常に大人しく恥ずかしがり屋に見えました。彼はこう提案してきました。「あなた方が支払ったお金は、私がいただいたことにしますので、ぜひ日本で展開しませんか?」というもので、大変驚かされました。ホッと胸を撫で下ろし、「やりましょう!」と言って握手を交わしました。

 

されに、技術の詳細を確認しました。「まだ満足いくところまで写真を分析できていない。顎のラインを取るのがものすごく難しい数式の塊で、それを理解できるのは韓国でもCYOだけしかいない」ということでした。「それは、調整していきましょう」ということで合意をして日本へ戻りました。

 

韓国のモールでは、このサービスを使ってTシャツやマグカップなどに自分のアバターと選んだ背景を印刷するという写真館のようなところで人気をはくしていました。「ちょっと待てよ?日本人って自分の似顔絵や写真をお金はらってグッズに印刷するかなあ?」答えは、ノーです。これは、適用サービスを考えないとダメだなって思いました。

 

ちょうどその頃、J-Phoneのカメラ付き携帯電話が市場投入されるということが囁かれていました。わたしは、直感で「これだ!」って思いました。このソフトウェアは、カメラが必須です。最初の韓国版はPCのWebでのサービスとして作られていました。しかし、携帯電話でのインターネットアクセスは鰻登りに伸びていくと確信していましたので、急遽携帯電話版を開発することに決めました。

 

わたしは、社長に掛け合ってCubicmoreという会社を立ち上げ、エンジニアとセールス・マーケティング、そして韓国とのコミュニケーションを取るために、日本語と韓国語を使える人材を採用させてくださいとお願いし、了承を得ました。

 

たまたま、知り合いの社長が時々連れて行ってくれる東京赤坂にある韓国クラブの「みんちゃん」と呼んでいた、いつもわたしのテーブルに座ってくれる女の子のことを思い出しました。彼女は、非常に綺麗な女の子でしたが、雰囲気がどうもクラブには不似合いな感じがしていたので、思い切って誘ってみることにしたんです。「みんちゃん、今度韓国企業とビジネスするんだけど、僕の秘書になる気ない?」って聞いてみたんです。

 

なんと、彼女はとっても喜んでくれてすぐにOKしてくれました。聞くと、「日本に来て最初はパチンコ屋で務めて日本語を勉強したけれども昼間の仕事になかなかつけなくて、仕方なく知り合いを頼ってクラブに来たんだけれど、昼間の仕事がしたかったんです」ということでした。彼女は第1号社員で、エンジニアの採用も一緒にやりました。彼女は、結構人の性格を見抜くのが上手だなあと感心しました。

 

そして、数人の面接の後、一人の青年に採用を決めたんです。Mくんという、気弱でガラス製の糸のような青年でしたが、技術力はあるなあと思いました。ただ、彼の精神状態には十分気を使ってやらないと、すぐ潰れてしうことはわかっていました。そして、以前からの知り合いで若干年配の女性でマーケティングのベテランのOさんに無理を言って入ってもらいました。

 

今後の製品の改良の件で、韓国ポド社の金社長とCTOと早速ミーティングを持ちました。彼らは、快く同意してくれました。ついでに、キオスク版、つまりゲームセンタなどにおいて遊ぶ(プリクラがモデル)PC単体アプリの開発も提案してくれました。

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さあ、開発が始まりました。サービスのアウトプットとして出来上がってくる「カリカチャー顔」の調整が最も大変な作業でした。韓国人の顔と日本人の顔はやはり微妙に違うんです。肌の色も、韓国人はピンク色が肌に入っているけれど、日本人は褐色が入っている。髪の毛の好みも違う。鼻から目や口までの距離、輪郭までの距離も違う。服の色の好みなんかもやっぱり違うんですねえ。いや〜〜〜大変でした。

 

中でも難しかったのは、輪郭の抽出でした。どうも顎のラインは、首の色との区別がつきにくいので抽出が難しかったようです。どうも色に関する分析と微分計算の塊だったんでしょうね。それと顔の作りは、民族ごとに特徴が違うので汎用性を持たすには長期の研究が必要でしょう。

 

わたしからのリクエストを、エンジニアのMくんとみんちゃんでポド社のエンジニアに伝えるのにも苦労しました。如何せんわたしのリクエストは絶対命令で、ポド側では「なぜそんなことが必要なのか理解できない」ということが多々あったのです。当然です、日本人のサービスに関する考え方と韓国側のそれとは明らかに違いますよね。外国人にその違いを説得するのは、本当に大変です。

 

これはかつて、米国のERPパッケージのR&Dで仕事をした時にすでに経験済みでした。例えば、財務会計ソフトウェアの入力画面ですが、日本の経理部の人たちは、おおよそテンキーとタブキーで仕事をしますが、入力画面にはアウトプットの帳票に近いイメージを求めます。それに入力フィールドに罫線が入ってないといやがるのです。ところが欧米では、その罫線を定義したり表示したりすることのパフォーマンスを考えて、タブで飛んだフィールドに入力項目名が上部に表示されていれば問題ないのです。罫線は必要ないわけですね。こんなところに、ローカライズの難しさがあるわけです。

 

さらに、当初韓国同様に中学や高校の女性とをターゲットにしていたので、操作性やインタフェースも何度も試行錯誤しました。こうやってついに10ヶ月後に最終版が完成したのです。

 

さあ、ここからがマーケティングのフェーズへと突入していくわけです。わたしは、このマーケティングでさまざまなことを学ぶことになります。今まで考えたこともないことですよ。楽しみにしてください。

 

でわでわ

 

 

 

 

条約締結に向けてーフィリピンで学んだ環境問題(2)

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美しいセブ等の海!ジンベイザメ、海亀、トロピカルフィッシュ、たくさんの生物が泳ぐ海!わたしは、約2年間このセブ等で過ごした。セブ等のある地域をビサヤ諸島とよび多くの島が散在している。フィリピン最大の観光スポットでもある。

 

この美しい島々と海が、水銀に汚染されたらと想像してみてほしい。これは大変だ、放って置けないと思われるでしょう。

 

セブ市には、「ITパーク」という地域があり、コールセンターに代表されるBPO企業やソフトウェア開発企業が多くある。マニラに比べると、比較的労働者が確保しやすいこともが理由でもある。また、美しい島であることを売りにした日本人留学生や家族を対象にした英会話スクールなども続々進出しています。

 

フィリピン第二の都市であるセブ市は、ゴミ問題をはじめさまざまな環境問題を抱えています。当時(2014年)セブ市の市会議員を務められていて環境問題の第一人者であったNida C. Cabrera女史が先頭になって、北九州市や横浜市と共同プロジェクトを実施されていた。

 

マニラ圏で蛍光灯収集プロジェクトをスタートさせたのを機に、セブ市からの要望でわれわれが設置した破砕機を導入し、同様に野村興産のイトムカにある処理プラントで処理したいという要望が来ました。その予算は、UNIDO(国際連合工業開発機関)が提供するということになりました。

 

早速、Cabrera議員を野村興産とともに表敬訪問しました。そしてわたしたちのプロジェクトの概要をプレゼンさせてもらい、協力を仰ぎました。数回にわたって、PCO(Polution Control office 企業の環境担当責任者)を中心に、セミナーを開催し野村興産のイトムカプラントに招待し、理解してもらうという趣旨でした。

 

セブ市には、イナヤワンというゴミ山があってここに産廃業社も軒を連ねている。その中にCebu Common Treatment Facility Incorporated (CCTFI 社)というセブ市のCabrera女史と連携して産廃業を営む企業があります。ここが我々のカウンターパートとして、破砕機を設置し、蛍光灯を回収することになったわけです。

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セブ島には、太陽誘電常石造船、ミツミなど、日本を代表する企業もあり、空港側にある経済特区にも80社以上の日系企業があります。これらの企業をターゲットとして、セブ日本商工会議所や日本人会などの協力を得て、セミナーを開催していきました。

 

セブ市では、北九州市のエコタウンなどから産廃業社がきて、いくつかのプロジェクトを実施していました。例えば、廃棄された携帯電話を回収しリサイクルできる金属や部品をリサイクルするプロジェクトなど。残念ながら、このプロジェクトは成功しているようには見えませんでしたねえ。なぜなら、フィリピンでは携帯電話は「お下がり」市場があるんです。つまり、古くなったり、何処か故障したりした携帯電話機は、買取業社がたくさんがあり、その業者が故障などを治して安く販売する、予算のあまりない人がそれを買う。このビジネスが非常に大きなマーケットを持っているからなんです。

 

フィリピンでは、非常に厳しいルールを設けて産業廃棄物に関しては基本的に正しく処理をしようとしているのですが、家庭ゴミはまだルールが徹底できていない状況です。ゴミ収集車が回収に回るのですが、家庭ゴミは十分に選別されていません。トラックには、いくつかの大きな袋が側面に吊るされていて、回収中にリサイクルできてお金に変わるものを回収している人が選別し、ゴミ処理場に到着する前にお金に換え小遣いにしているのです。

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 そして、ゴミ山には住み着いている人たちがいて、お金に変えられるものを拾い集めて現金化しています。その人たちのことを、スカベンジャーと呼んでいます。その多くが子供達なんです。水銀のついた蛍光灯を踏んでしまって、死んでしまう子供までいるというのが現状です。

 

ゴミの選別というのはとっても大事なことで、それは手間のかかることであり知識も必要なアクティビティなんですよね。わたしたちは、セミナーを通じてまた政府や自治体との会合を通じて、学校教育にしっかり組み込むことの大事さを強調してきました。社会のルールを徹っていさせていくには、子供たちが最も強力な教師になるんです。親は、子供に言われて嫌と言えませんから、そうでしょ?

 

フィリピン人の多くは、まだゴミは金に変わるという意識があり、業者が処理費を請求するのが難しいということが最大の問題です。少なくとも蛍光灯は100%輸入であり、税関が全て押さえてるわけです。ですから、そこでリサイクル税を付加すれば済むわけです。環境省には、台湾の事例を伝えました。台湾ではそれを実施しているが、なぜか蛍光灯がすべて製品として市場に出ていなくて、税金が処理費として100%処理業者にいかず、30%近く税金が残るという事実を伝えたのです。これは、いわゆる彼らに対する「飴」なんですね。

 

そうすれば、遅かれ早かれLEDの価格が下がれば、蛍光灯からLEDに変わっていくことを訴えました(LEDからは別の廃棄物が出るのですが)。まあ、省庁間で連携して行う制度には、なかなか合意が取れません、これが現実です。

 

わたしが、セブのプロジェクトのためにマニラから航空機で移動した時のことでした。近くに上院議員のシンチャ・ヴィリアー女史が乗っているのを発見しました。彼女は、わたしの住んでいたラスピニャス市在住で、ベニグノ・アキノ3世(愛称ノイノイ)氏と大統領選で戦った不動産王の一人であるマニー・ビリアー氏の奥さんに当たります。お父さんは、ラスピニャス市の市長の座に長期にわたって座っている、ネネ・アギラー氏に当たり、いわゆる大金持ちです。上院では、環境問題を代表する議員さんでした。

 

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シンチャ・ヴィリアー上院議員



これは、チャンスとばかりに駆け寄って、わたしたちのプロジェクトを説明し支援を求めたところ、帰ってきた言葉は「日本でしょ?高いばかりで話にならない」でした。愕然としました。コストだけで考えて一蹴するのが、この国の環境担当上院議員なのかと。

 

わたしたちの最大の目標は、フィリピンが水俣条約を批准することと、自ら水銀処理の技術を取り入れ運用してくれることでした。でも、「こんな上院議員がいるようじゃあ、時間かかるなあ」というのが正直な感想でした。

 

セブのプロジェクトも第1回の回収と日本への運搬も終わり、さああとは水俣条約の批准だと意気込んでいました。ところがです。ふと気づいたのは条約に批准したらフィリピンにある水銀はすべて国内で処理しなければならないということに気づきました。

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何ができるか考えていると、ふと思い出したことがありました・蛍光灯処理についての業界分析をしているときに、フィリピン・エネルギー省が、蛍光灯の破砕から水銀抽出(純度は若干低く、蛍光灯の破砕粒度が細かすぎてガラスのリサイクルに制限があった:日本ではガラスは再度グラスなどに加工され販売もされる)までできる全長約30メーターほどの機械(ヨーロッパからアジア開発銀行の融資で購入)があることを思い出した。

 

もう一度エネルギー省の担当ディレクターに詳しく話を聞きに訪問したんです。最大の疑問は、なぜこれを環境省ではなくエネルギー省が手に入れたのか?なぜ稼働させないのか?でした。きっかけは、政府関係の全建造物の蛍光灯をLEDに交換するという決定があり、そのためにその蛍光灯を処理することができなければいけないので、LED化担当のエネルギー省が急遽購入したというのです。

 

さてそれが、環境省がお気に召さなかったようで無視し続けているというのが実情だった。しかも、エネルギー省は稼働させた場合、外部コンサルタントを使って蛍光灯1本あたりの処理コストを計算したところ20ペソ(約40円)弱だと言ってい流のです。わたしは、どうしても信じられませんでした。この機械を稼働させないで放置していると、機械のコストの回収もできず、倉庫代も毎月かかる、スキャンダルだと言わざるを得ない状況でした。

 

とりあえずこれをメンテナンスして、われわれがオペレータを出して(もちろん政府から費用はもらいますが)稼働させるのが一番良い方法だと思い、国連のUNEP、UNIDO、野村興産に提案しました。「その方向でやってみてくれ」ということだったので、エネルギー省のトップクラスと協議させてもらえるように働きかけました。

 

そこで得た合意は、どこか自治体に機械を寄付するということでした。ということは、機械の運搬費から自治体の負担になるわけです。そうなると選択肢は一つです。最大の自治体であるケソン市に提案するしかない。そのためには、運用コストも計算して自治体が回収可能なのかを提示して見せるしかないわけです。そこで、エネルギー省が外部コンサルタントを使ってコスト計算をした報告書をコピーさせてくれるよう要請しました。ところが、出てこない。つまり、嘘をついていたわけですよ。で、蛍光灯1本あたりの処理コストが20ペソだなんてことはあり得ないというわたしの勘ぐりは正しいと確信し、コスト計算を機械を製造している会社か、メンテナンス会社にお願いしようとリサーチしました。米国にメンテナンス会社があることがわかり、メールで協力を依頼しました。わたしがフィリピンでの労働者の賃金やその他の見積もりを提供し、コスト計算が仕上がりました。

 

次に重要なことは、抽出した水銀をどのように埋め立てるかです。そのためには、特殊な容器が必要で埋め立てに適した場所と埋め立て方を、野村興産のコンサルティングをしてもらうしかありません。

 

ここまでお膳立てをして、ケソン市およびエネルギー省に「あとはあなたたちで話し合ってください」と言って、わたしは身を引きました。UNEPのDr. Desiree Montecillo- Narvaezと一緒に食事した際に「よくやりましたね」と褒めていただき恐縮しました。

 

フィリピンでは、条約に調印する際に全省庁の合意を取るというルールがあり、2年間ある一つの省庁が、合意しなかったために条約の締結には至らなかったのですが、ようやく調印したと情報が入り一安心。しかし、いまだにあの機械が稼働しているという話は聞きません。どうなることやら心配です。

 

このプロジェクトの詳細は、「Zeromercury projekut報告書」をお読みくださいね。このプロジェクトを通じて、環境省、エネルギー省、保健省、各自治体と信頼関係もでき有意義だったと思います。

 

でも、環境改善プロジェクトは継続できるかが大事ですね。

 

ではでは

条約締結に向けてーフィリピンで学んだ環境問題(1)

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わたしは、2007年から2020年までの13年間をフィリピンで過ごしました。ニューヨークに本社を持ち65カ国に展開するWundermanで、2012年に日本マイクロソフトのインターネット・マーケティングのサポートをしていたのですが、日本マイクロソフトの収益の悪化で契約を切られることになり、わたしも退職することになりました。

 

わたしが交わした雇用契約書は、20ページ近くあるもので、テスト期間の3ヶ月のうちに辞めた場合は、研修費をわたしに請求するなんて条項まであるものでした。ジョブ型雇用の最たる雇用契約です。

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それで、辞めたときに比較的短い期間の仕事でしたが退職金やもらえるはずのボーナスなどの計算をして、結構な金額をいただいたのでしばらく日本語でも教えながら過ごしていました。その時の生徒に、「良い仕事ないかなあ」と話したところ、「お父さんに話してみるわ」と言ってくれたんです。数日後、お父さんとお会いすることになって、それが縁で故郷の京都市に本社のある「株式会社旭東樹脂」のフィリピンのテクノパークという経済特区にあるFRPフィリピンという工場で仕事をすることになりました。

 

FRPというのは、Fiberglass  Reineforced Plastic の略でスーパーカーのボディなどのように頑強であるが軽い素材、または化学薬品で腐食してしまうようなタンクを成形するのに使われものです。この会社では、3階建ての家のような大きな鉱山向け集塵機や直径数メーターのパイプなどを作っていました。また、トヨタ車のディーラオプションとしてパーツやフィリピンおイントラムロスというスペイン時代の建物が残る地域の電動タクシーのボディなんかも作っていました。FRPのなんの知識もないところで、職人集団のような工場の管理者として配属されたために、なかなか思うようにいきませんでした。

 

そうこうしているうちに、社長のお兄さんが経営されている「旭興産業株式会社」という水銀を含む廃棄物を収集している会社に移って、フィリピンに同じビジネスを立ち上げてみないかと声をかけてもらいました。旭興産業は、アジアで水銀抽出処理のできるトップ企業の野村興産のパートナーとしてプラントへ運び込んでいたのです。

 

当時、日本の環境省が、「水俣条約」を各国に批准してもらうために、さまざまな取り組みをしていた最中でした。環境省主催で、2013年12月にUNEP (国連環境計画)世界水銀パートナーシッ プ廃棄物分野のワークショップ がマニラで開催されました。その会合に野村興産の通訳として出席したんです。

 

UNEPを代表してこられていたDr. Desiree Montecillo- Narvaezとあることで親しくなりました。わたしがシリコンバレーの投資家でフィリピン人のMr. Dado Banatao(Tallwood Venture Capital)と仕事をしているという事実に、驚嘆したことですした。彼女は、Mr. Dadoと同じスタンフォード大学を出ており、彼がフィリピンの大統領すらも会いたがる超有名人だったからです。

 

この会合を皮切りに、野村興産のフィリピン側のカウンターパートとして、UNEP、UNIDO(国連工業開発機構)、フィリピン環境省、フィリピン商工会議所、フィリピン国内の環境NGO、などをコーディネーションすることになったわけです。

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みなさん、水銀ってどこで使われているかご存知ですか?蛍光灯、乾電池、はいそうですね。かつては銀歯(アマルガム)、口紅にも使われていましたし、印肉にも使われていました。昔の体温計や血圧計で銀色のものが伸びたり縮んだりしていたでしょ。それも水銀です。さらに、神社のあの朱色も水銀が使われています。それにアジア地域で採掘される化石燃料は、中東で産出される物よりもかなり高い濃度で水銀を含有しています。

 

しかし、現在は危険廃棄物として使用が制限されていますね。しかも、蛍光灯はLEDに変わっています。日本は、野村興産がありますから安全に廃棄できていますが、アジアの他国はそうではありません。フィリピンも例外ではないわけです。

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イトムカ処理プラント

わたしと野村興産の最初の取り組みは、経済産業省の人材開発予算を使って啓蒙し、野村興産の北海道イトムカにある処理プラント(途中家庭ゴミの処理プラントにも見学に行きました)へ招待することでした。

 

当時のフィリピンでは、環境省により認可を受けた処理業者と各企業は契約し処理し、処理証明書を発行してもらうというルールになっていました。ところがです。その処理業者はどのようなシステムで処理しているのかが問題だったのです。

 

こんな感じです。ドラム缶の上にフィルター付きの破砕機が乗っかっています。破砕機には筒のようなものが据え付けてあり、その穴から蛍光灯を挿入すれば破砕機が粉砕してくれるというものです。フィルターはヘパフィルターで決して特殊なものではありません。フィルターに破砕時に出る水銀のパウダーを吸着させるのですが、当然ヘパでは完全に取れませんので、破砕されたガラスに多くは吸着したままなのです。

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これらの事実は一般には知られていません。もちろんフィリピン環境省は知っているでしょうけどね。代替技術がないということで許していたわけです。ドラム缶が満杯になると蓋をして鉄のリングで止めて、地中に入れコンクリートを流し込むわけです。しかし、コンクリートで単純にふさぐだけだと何年かするとドラム缶が腐食してコンクリートから水分と一緒に流れ出る可能性があり、非常に危険です。

 

水銀の使い道として金の抽出に使われており、フィリピンでも違法採掘業者がどこかから銀歯を買ってきて、その水銀を使っています。それが、海に流れ出て水俣病を引き起こすわけです。ドラム缶の埋め立てでは、いつかこのようなことがおこることは明白でした。

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わたしたち日本国民は、多くの人の犠牲のもとに水俣病の恐ろしさを知っています。これはなんとかしないと、って心から思いました。

 

そして2年目の2014年は、環境省の予算でフィリピンの企業の環境担当(PCOというポジションが各企業にあります)を啓蒙しながら、日本から破砕機を持ち込みとにかく蛍光灯を集め、フィリピンで破砕して少量化し、日本のイトムカにある野村興産のプラントに運び入れることをはじめました。

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啓蒙時には、水俣病がどういうものか、どういうメカニズムで水俣病が発生するのいか、具体的な画像を交えてプレセンしました。いくつかのNGOも賛同し協力してくれました。フィリピン環境省からの協力もひとかたならぬものでした。このムーブメントにわたしは、「Zeromercury project」となずけ活動を広げていったわけです。

 

ところが、大きな壁があることに気づきました。回収料金です。当然日本へ運ぶわけですから、現地回収業者の二倍以上の金額になります。「これは困ったぞ!フィリピンの企業は渋るだろうなあ」と思いました。はじめてみると、やはりでした。

 

この回収に賛同し料金を払ってくれたのは、日本の大手企業のフィリピン法人の数社とアメリカのGE現地法人だけでした。フィリピンの蛍光灯は今は100%が輸入品で、かつて製造していたGEは工場閉鎖時に床などに水銀が残っており、それをわたしたちに委託してきたのです。

 

賛同してくれた日本企業の考え方は、こうでした。「もし十分な処理ができない業者に任せて何かあったら、自分たちのブランドに傷がつき不味いことになるしCSRを果たせない」というものでした。ところがです、最大の自動車メーカーは、自分たちでフィリピンで許可された基準で処理して埋め立てる、水銀が付着した例のへパフィルターだけを処理してくれときたわけです。

 

ヘパフィルターで100%水銀が吸着できるわけではないので、埋めた破砕ガラスからいつか漏れ出す旨をひつこく訴えたが、おそらくコストを重視したのでしょう。ダメでした。

 

さて、3年目の2015年は、さらにこのプロジェクトをセブ島地域へ拡大する取り組みなります。苦労はまだまだ続くのです。次回もぜひお読みくださいね。

 

でわでわ

脱成長コミュニズム:斎藤幸平さんへの手紙

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 拝啓

『人新世の「資本論」』 発売以降、動画への出演が劇的に増加してますねえ😲わたしは、大阪市立大学出身ということもあって、「おたくも市大でマルクスですかあ」というシンパシーを感じるのですよ。

 

以前このブログで、「わたしを覚醒させた書」として『人新世の「資本論」』 への思いを綴りました。その後、あなたのさまざまな動画を見て斎藤さんの考えを理解しました。売れっ子の常で、さまざまな人がこの『人新世の「資本論」』を取り上げて、解説したり批判したりしています。

 

哲学者もどきのYouTuberが、浅薄な知識で持って解説しているのはちょっといただけないのですが、それほどまでに「資本論」「マルクス」「コミュニズム」という言葉に共感を覚えている多くの人がいることが、わたしにとっては驚きです。そして、マルクス主義者としてカミングアウトする人も増えていますね。

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哲学者のスラヴォイ・ジジェクが叫んだだけではこのような現象はおきなかったでしょうね。斉藤幸平さんだったから、また斎藤さんの「資本論」や「コミュニズム」などの解き方、気候・環境問題を中心に展開されていること、マルクスの再発見という新世代のフレッシュさ、そして何よりも斎藤さん自体が34歳と若いことが、共感を生み出したのではないでしょうか?確かに、さまざまなシステムの綻びを多くの人が肌に感じ、「政治」という茶番劇に憤りを感じていることも手伝ってのことではないでしょうか?

 

わたしは、ひとつ恐れていることがあります。そして願っています。斎藤幸平という人がブームで終わらないことを、そして危機に対するサプリメントで終わらないことをですYouTubeであるいはさまざまなメディアで、斎藤幸平を「商品化」しようとしている向きも感じます。

 

基本的には、応援歌を送っているつもりなんですが、いくつかお聞きしたいことがあるんです。わたしが、マルクス主義を学んだのは大阪市立大学時代、社会科学研究会のOBが来られる合宿なんかにも参加しました。また、大阪市立大学で教鞭を撮られた立派なマルクス主義者の先生方の講演なんぞにも参加しました。いわゆる「オールド(old)ボルシェビキレーニンロシア革命時に率いた党)」の一人です。

 

斎藤さんはご存知でしょうか?ウェブマガジンプロメテウスというサイトに執筆されている「やすいゆたか」さんという、「オールド(old)ボルシェビキ」の一人が、『人新世の「資本論」を読んで幾つか疑問を投げかけているのを。

 

次のように言っています。

本著の最大の欠陥は、この本の内容に、マルクスが「脱成長コミュニズム」を説いている言説の引用が全くないことです。

 さらに、

もしそういう言説があるのなら、マルクス研究者はたくさんいますから、とっくにだれかが紹介している筈です。ですからマルクスが脱成長コミュニストだという評価は、斎藤さんの独特の解釈なのです。

 このかたは、斎藤さんの『大洪水の前に』は読んでおられないようです。それと、『人新世の「資本論」』 がターゲットされている読者と位置づけも考えなければいけないでしょうね。やすいさんは、マルクスはあくまで「成長コミュニズムを唱えているというのがポイントで、「脱成長」はおかしいというわけです。

 

確かに、わたしがマルクスを学んでいたときは、やすいさんのように理解していたと思います。ただ、わたしは、マルクスが想定できなかった要素もあるかもしれない、そもそも土台としている「進化論」に関して大きな疑問(別の機会に述べたいです)があるので、教条主義的にマルクスがどういったかに拘るつもりはありません。マルクスを土台に発展させていけば良いと思っています。しかし、マルクスが本当に斎藤さんが指摘するように述べているなら、それは知りたいのです。

 

斎藤さんが言うように、「晩年のマルクスは……脱成長コミュニズムを説いた」というのなら、どこでそう述べているかを明確に知りたいと思うのです。

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確かに、『大洪水の前に』では、MEGA(、カール・マルクスフリードリヒ・エンゲルスの出版物、遺稿、草稿、書簡の全集である。1970年代から刊行されている現在の版は、区別のために〈新メガ〉と呼ばれている)の編纂の歴史的動向や議論などを紹介されており、晩年のマルクスのノート類だけではなく、マルクスはかなりの箇所でエコロジーにフォーカスしていると記述されていますね。そして「物質代謝の亀裂」という概念が「経済学批判」のみならず「資本論」の重要なキーワードでもあることを述べられています。ベテランのマルクス研究家は、この本を読むべきですね。

 

マルクスエンゲルスの確執と、未完の「資本論」執筆の経緯など、確かに私たちは学んだ記憶がないことです。

 

マルクス主義者特に「オールド(old)ボルシェビキ」の中では、環境問題を語ることはほとんどありませんでした。それに、「民主主義」や「人間と自由」といテーマのマルクスの理解が混沌としていたということもあります。

 

そのために、「階級闘争を裸で唸るか、ポピュリズムに陥るか」と言った状況に日本の社会主義共産主義者は分かれていったのではないかと、わたしは考えています。特に日本のマルクス研究では、整理しなければならない多くの課題も残ったまま、地下に潜ってしまった感があります。再び斎藤さんの指摘をきっかけとして、その作業が進むことを期待します。

 

ここで重要なことはもう一つあります。斎藤さんやセルジュ・ラトゥーシュがいう「脱成長」の意味です。斎藤さんが本の帯を書かかれているセルジュ・ラトゥーシュの『脱成長』で、明確にこう述べています。

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脱成長という語は、…経済成長の対義語でもない。脱成長は何よりも論争的な政治的スローガンである。その目的は、我々に省察を促して限度の感覚を再発見させることにある。特に留意すべきは、脱成長は景気後退やマイナス成長を意図していないという点だ。したがって、この語は文字通りの意味で受け取ってはならない。

 

つまり、経済成長を崇拝しない態度のことであって、単純な経済成長否定ではないということです。きっと「脱成長コミュニズム」をシンプルな階級闘争として論じていない点が、「オールド(old)ボルシェビキ」には、物足りないのではないでしょうか?ただし、資本主義の行き詰まりは、2ちゃんねる創設者のひろゆきさんですら認めるほど多くの人々が認識するところで、京都大学のの大西広先生や法政大学の水野和夫先生、などによっても明快に論証されています。

 

現時点でこの経済成長至上主義による企業活動の結果として、環境危機が取り返しのつかない状況になっているという認識のもとで、「スローダウンしよう」、「ゆっくり生きよう」、そして状況を良くしよう、ということが、「脱成長」の基本にあると思います。でしょ?斎藤さん?

 

現在の資本主義システムの危機は、環境危機にとどまりません。「ゼロ金利」時代が継続している、つまり資本の増殖を宿命とする企業が投資しても儲からない、ですからパンデミックでも過去最高収益をあげている企業が労働者に分配するのではなく、ものすごい額の「内部留保」を抱えるという自己矛盾をおこしていることもまたそのひとつです。これを「資本主義の死」と水野和夫さんは言います。それを、田原総一郎さんは「憎らしいほど説得力がある」と評しています。

 

1970年台の大平内閣の時もそうであったように、不況下で政府が国債を十分出してでも、国民の購買力を高めて内需拡大しないと、ひいては税収も拡大しないという矛盾に政府は直面せざるを得ないくなるわけです。今、過去最高益を叩き出している企業は、内需ではなく海外での収益が中心で、その他というとコロナ禍の巣ごもり需要で予想外の利益が出た企業なんです。

 

財務大臣麻生太郎が、「今年税収はのびたではないか。景気は悪くない!」と言ったそうですが、これを聞いて「なるほど!」と思う方がいるでしょうか?裏に隠された事実をよく洞察する必要があります。

 

パンデミックのような危機の状況下では、国家が介入して経済や市場をも計画的に規制しなければならなくなります。「自由主義」を何よりも強調したあのトランプ元大統領ですら、経済規制をしたほどです。「国家による経済の規制」というと、「共産主義?」と思いませんか?それくらい資本主義の危機が醸成していると言えないでしょうか?

 

斎藤さんは、「コモン=社会的共通資本」の領域を拡大していくことをまず目指されていて、「もう資本主義は無くなってしまてるよ」と多くの人が思える状態になることを期待されていると思うのですが、正しいでしょうか?それは大切な共感を拡大するムーブメントだと思いますが、国境を越えたムーブメント間の絆が大事になると思うんです。いわゆるかつての一国社会主義世界同時革命か、みたいなことでしょうか?

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斎藤さんは、『なぜ脱成長なのか』という本の帯に、「資本主義に亀裂を入れることができるはずだ」と書かれていますね。かつての「反ファシズム統一戦線」や「反独占民主闘争」という言葉を思い出します。乱暴な言い方かもしれませんが、最も凶悪な敵を最小にして、圧倒的多数を形成して倒す、つまり資本主義崩壊への戦術レベルのムーブメントということになりますね。ですから継続して拡大していくことが最も重要です。そして何より、その「亀裂」に「楔を打ち込む」ことです。

 

どうかもしこの手紙を読まれたら、返信をいただければ幸甚です。

 

でわでわ

 

 

 

未来の働き方=リモートワーク? (2)

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前掲の「未来の働き方=リモートワーク? (1)」では、リモートワークに対する従業員の側から見た場合、実際やってみてどうだったのか、ストレスはあったのか、ということをアンケートなどを頼りに考えました。

 

結果的には、過半数の方が満足し継続したいと考えています。それに、20代の若者は積極的な感想を持っているが、年配の方になるとストレスを感じる人が多いということがわかります。

 

では企業側の意見を見てみましょう。組織・人事領域をテーマにした調査・研究・情報発信を行なっているカオナビHRテクノロジー総研は、2021年1月下旬に調査を実施している。それによるとリモートワークの実施率は、会社の規模が大きくなるほど高くなっていることがわかります。

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ホワイトカラー3職種(営業職、事務系管理職、事務職・技術系事務職)は、現場従業者が含まれる他職種と比べると、リモートワークの比率は39.5%と高かく、また勤務地域別では、首都圏のリモートワーク実施率が40.2%と顕著に高いという結果でした。

 

緊急事態宣言が発令された上でのリモートワーク実施率は全体で24.6%であり、決して高い実施率とはいえません。では、実施できない理由とはなんなのでしょうか?それをみてみることにしましょう。

 

アイティメディアが実施したテレワークの実施状況に関するアンケートによると、テレワークを導入できない理由のトップ5は、「出社しなければできない業務が多い」が最も多く65.5%、次いで「持ち運べるPCが与えられていないため」が40.8%、「社内の労務規定が整備されていないため」が34.4%、「環境整備に避ける予算がない、少ないため」が33.1%、「経営層の理解がないため」が25.5%でした。

 

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これらは、リーモートワークが適さない仕事を除けば、そもそもリモートワークを会社の制度として整備していないということになるでしょう。それは、経営者がリモートワークを取り入れることに消極的であることの表れではないでしょうか?

 

カオナビHRテクノロジー総研の別の調査項目で、「制度はあるが利用していない」という層も1割程度は存在するのですが、58.8%がそもそも「リモートワークの制度がない」と回答する結果が出ています。

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欧州の一部では、すでに労働者の「在宅勤務権」が認められており、ドイツや英国でも政府が検討を開始したと報じられています。日本では、企業に任されているだけなので、プレッシャーが全くない状態です。

 

さまざまな調査で明らかになってきているのは、従業員と経営者の間にある温度差です。経営者がテレワークに否定的な理由には、自宅で仕事をこなす形態だとサボる人が増えるのではないか、という考え方があるようです。

 

終身雇用とメンバーシップ型雇用で、机を並べて仕切りのないオフィスで仕事を長年してきた年配の社員や経営者が、「サボるのではないか」と想像するのはわからないでもない。そして対面でコミュニケーションしないと「良いアイデア」が生まれたり、「チームワーク」が生まれない、となんら科学的根拠のない思いを持つのも、「まあ、そう思うよなあ」と若干のシンパシーは持てます。

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こういうふうに考えてみたらどうでしょうか。従業員あたり、オフィスで仕事をしてもらうのに一体どれくらいのコストを企業が背負っているか?当然都心にオフィスがある場合は高くつきますが、使用している面積、交通費、その他で少なくとも月額8万円から10万円かかっているらしい。リモートワークに変えることで大幅な固定費の削減ができるのではないでしょうか?

 

都心一頭地のオフィスを取っ払って、必要なだけのコンパクトオフィスに変えて大幅なコスト削減をしているDeNA(株式会社ディーエヌエー)などの企業が出始めています。固定費を年間30%削減し、社員の生産性が上がり残業代も削減できている企業もあるほどです。

 

この状況を睨んで、さまざまなタイプのオフィススペースを作り、都心以外でもレンタルしている企業も増加している。共有スペースには木がいっぱいうわっていて、実っている果物を無料でもいで食べられるとか、面白い発想で生産性に寄与するというコンセプト。

 

わたしがいた、Googleのフィリピンオフィスでは、色々なタイプのスペースがあり、好きなところで仕事をしてもいいということになっていました。飲み物やスナックもフリーでした。一人で個室に籠るもの、大きな机で数人で仕事をするもの、寝転んでミーティングするもの、色々あって、自分の気分で選んでいたのを思い出します。

 

確かに、リモートワークを導入するにあったて、どの職種にどのように適用するのか?人事評価制度をどうするか?外部からのアクセス・セキュリティは?リモートワーカーへの補助はどうするか?押印はどうするか?さまざまな、経営にまつわる整備作業が発生します。そして、管理手法も変化せざるを得ないので、マネジメントのトレーニングも必要でしょう。

 

変化する時には必ず避けられないトレードオフがあります。そしてやってみなければわからないことも多々あるでしょう。マネジメント視点でのリモートワーク効果が有効かどうか、業務処理件数や処理にかかる時間はどうかなどを定期的に測定し、検証します。導入して終わりではなく、継続的に運用するために改善することは必須です。

 

いつの時でも、「変化は痛みや苦労を伴う」ものです。より良き未来のために、乗り越えるものです。決して経営側だけではなく、従業員側も同じでしょう。「リモートワークはやってみたけれど」的な話はいっぱいあります。小さな子供が家にいて、カンファレンス中にやってきて中断させられるとか、同僚と会えなくて寂しいとか、それらがストレスと表現されるわけです。

 

5%社員は午後の時間になにをしているのかといえば、主に「対話の時間」に充てているのです。インターネットなどから情報収集するのももちろん重要ですが、それ以上に「人から得られる情報を重視する」のも5%社員の特徴で、みずから動いて人に話を聞きに行く作業を積極的に行っていました。

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これは、越川さんの分析です。5%の社員にはオフィスを動き回る習慣があるそうです。その目的は、仕事の質を上げるための情報収集なんですよね。

 

わたしが、産業アナリストをしていた時を思い起こすと、他の分野のアナリストの意見を聞くことはすごく大事でした。パーティションで仕切られた個人オフィスで仕事をしていましたが、必要な時に「ちょっといいですか?」と言って意見をもらいに動く。みんなそうでした。リモートワークになったら、「ちょっといいですか?」ってどうすれば良いのかと考え込んでしまいました。ほとんどは、椅子に座ったままの仕事ですが、個人ブースの門を叩くのは茶飯事でした。

 

まあ、全員がオンラインになっていて、メッセージを送ればできるような簡単なことだけれど、実際やってみるとどうなるんだろうかと思ってしまうんですね。

 

少なくとも今後は、「with コロナ」を前提に考えるしかない。とすれば、パンデミックをきっかけに「働き方」を見直し、従業員に生産性の高い良い仕事をしてもらうのは大きなメリットになりませんか?大事なのは、「やってみる」ことと、絶えずそれを最適化するために変更することです。いかがですか?

 

でわでわ

未来の働き方=リモートワーク? (1)

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Apple社のオフィスビル

Apple最高経営責任者(CEO)であるTim Cook氏が米国時間の6月2日に、9月より少なくとも週3日のオフィス勤務を開始するよう従業員に要請したことに対し、一部の従業員グループが異議を唱えているようだ、という報道がありました。

 

従業員グループの書簡を公表したのは、The Verge(Vox Mediaが運営するアメリカ合衆国の技術系ニュースサイト及びメディアネットワーク)です。その書簡によると、

「リモートワーク/柔軟に仕事場を選ぶ勤務形態に関して、幹部チームの考え方と、多くのAppleの従業員の実体験との間にずれがあるように感じる」

さらに、「われわれの多くは、自分の家族、幸せ、最高の仕事をするための権利と、Appleの一員であることのいずれかを選択しなければならないと感じている」とし、「多くの人はそのような選択をしたくない」

The Vergeによると、「この書簡はApple従業員約80人が執筆、編集した。約2800人のメンバーが所属する、リモート勤務推進派のためのSlackチャネルから始まった」としている。

 

Apple社は、リモートワークを一時的で例外的な措置と考えていたようです。対面でコミュニケーションを取ることで、画期的なビジネスを育むことができるという考え方を、設立時から持っていたようです。Appleの精巧なドーナツ型の本社には、共同創業者Steve Jobs氏の考えが反映されていて、巧みに設計されたオフィス空間が、従業員の間の予期せぬ相互作用を生み、まったく新しいソリューションが生まれるような何気ない会話などにつながるという思考を持っている会社であることで知られています。

 

これと真逆なのは、Facebook社です。Facebookは2021年4月18日、同社従業員は新型コロナウイルスパンデミックの後も自宅で働くことができると改めて発表したのをご存知だろうか?

 

ブルームバーグの報道では、フェイスブックシリコンバレーのオフィスを、2021年5月に定員の10%に限って再稼働する予定で、従業員はマスクの着用、ソーシャルディスタンスを義務付けられ、場合によっては毎週新型コロナウイルスの検査を受けると記事は報じています。

 

2020年5月に、FacebookのCEOマーク・ザッカーバーグは、同社従業員の50%を今後10年以内に完全にリモートワークにしたいと述べています。約1年間の実践でリモートワークが、企業側にとっても高評価だったことが、2021年の発表で知ることができます。

      

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リモートワークに肯定的なのは、FacebookだけではなくTwitter社も同様です。マイクロソフト社は、「リモートワークが認められるのは平均勤務時間の半分以下」としています。

 

とにかく、リモートワークは現時点で賛否両論ですね。

 

わたしは、1987年から約6年間、ソフトウェアの開発の仕事をしていました。最初の3年間はいわゆる設計・仕様書に基づいて1からプログラムを作成する仕事でした。想像通り、長時間労働が当たり前でした。ある時、「社内で使う書類であれば、ミスコピーで生まれた紙の裏面を使え!」と言われて反発していた同僚がいたんです。

 

当時、プロジェクト管理で著名なトム・でマルコとティモシー・リスターによる共著である『ピープルウェア』という本が出版されていて、オフィスでの仕事の仕方や環境に問題を感じていたわたしは、この本に飛びつきました。「ソフトウェア開発社にとっての生産性」にまつわるオフィス環境のあり方を、様々な実験から合理的にあるべき環境を教えてくれています。

 

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で、これを読んで分かったことは、「一回印刷した紙を使って、再度コピー機で印刷すると、未使用の紙でコピーした時よりコストが上がる」ということでした。「えっ?」と思われるかもしれませんが、裏紙を使えというのは、「もったいない」、いわゆるコスト削減だとの「常識」だと思っていたことが、実はそうではないということです。

 

この本では、産業として長く継続し主流だった製造業で「常識」だとされていた職場環境や生産性の向上方法が、ホワイトカラーのオフィスワークには適用できないことを示してくれています。「常識」と思っていたことを再検討することの必要性を痛感しました。

 

新型コロナによるパンデミックは、「常識」を再検討する機会を様々な面に与えていますよね。「働き方」や「オフィス」ということは、その際たるものでしょう。オフィスに集まって仕事をすることの重要性は、次のような考えに支えられてきたと言えます。

組織におけるイノベーションは、協力関係から生まれるものだ。会議などの公式な場、あるいは非公式な廊下などで出会う人々のつながりから協力が生まれ、顔を合わせて協力し合うチームからイノベーションが生まれると考えられてきた。

 

 しかし、これはリモートワークということを考えなかった時代に作られた理屈であり、しかも科学的な根拠もない代物です。

 

わたしが、ITRというリサーチ/コンサルティング企業に在籍していたことですのことですが、内山氏(現在会長)とGartnerを立ち上げ、軌道に乗った頃にGartner本社から会社をたたんで(Gartnerが買収するという意味)専属になるようにリクエストされて、それを断って有限会社ITRから株式会社化して東中野で4名でスタートした時に、どんな会社にしようかとみんなで話し合っていました。その時に「Appleのようにリラックスして寝転びながらミーティングできる部屋を作って欲しい」ということと、日本オラクルの常務だった熊坂さんからいただいたお祝い金で「高くても長時間疲れずに座っていられる椅子が欲しい」とリクエストしたのを覚えています。初期のApple社のオフィスでは、大きなクッションに座ったり寝転んだりしてMachintosh開発チームがミーティングをしており、その風景を写真でみたから、このような環境からアイデアというのは生まれてくるんだ、と勝手に思っていたんです。

 

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つまり、生産性やイノベーションを視野に入れたときに、そういう発想が出てくる時代だったのですよ。それと、目標通りに仕事をこなしていれば、出社時間に拘らない、3時間働いて帰宅することもいとわないという承認を得た、ってことかなあ。少なくともリモートワークなんて考えも及びませんでした。

 

今は、完全に自宅でを仕事をしており、、チームで仕事しているのはわずかなので全く問題なく仕事ができています。妻が料理の不得意な人なので、わたしが調理することになっています。わたしは、腎臓に問題があり野菜を食べるには30分以上水に浸しリンを除去しなければならないのです。つまり下準備のために炒めたりする1時間とか前にちょっとした準備が必要になり、家にいるのでそれも可能なんです。わたしにとっては、大きなメリットですね。

 

実際、コロナ禍でリモートワークを経験した人が、どう感じているかをみてみましょう。このテーマでの調査は、どの産業のどのような仕事をしている集団の調査結果かが結構重要で、結果も違ってくると思われます。ですからランダムな産業調査である方を、まず参照すべきだと思います。

 

社会調査などを手掛ける公益財団法人日本生産性本部が発表した調査の結果を見ます。これは、2020年の5月の調査のようです。

 

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次に、リクルートキャリアが2021年2月17日に発表した、「新型コロナウイルス禍における働く個人・企業の意識調査」の結果は以下の通りでした。

 

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これらから、過半数の人は、「満足している」と言っても良いでしょう。この割合は、オンライン主体のメディア業界のように、多くの従業員がパソコン主体の仕事をしている企業になると、満足度も継続したいという希望も高くなる傾向にあります。

 

では、リモートワークでストレスを感じたかどうかという点はどうでしょうか?リクルートキャリアが1月に行った調査では、新型コロナ感染拡大以降にテレワークをするようになった人に、テレワークにおける仕事上のストレスについて尋ねたところ、「テレワーク開始前にはなかった仕事上のストレスを感じたことがあるか」という問いに対して、「強く感じた」という回答が13.4%、「やや感じた」が46.2%となり、計59.6%が新たなストレスを感じていることが分かったという結果でした。

 

そのストレスはのちに解消できたのでしょうか?ストレス解消状況を年代別にみると、「解消できた」という回答は20代で41.1%、30代で35.4%、40代で32.2%、50~60代で16.4%。年齢が上がるほど長期間にわたってテレワークのストレスを抱えていることが分かります。「解消できていない」という回答は、50~60代では83.6%に上っています

 

では、「どのようなストレスを感じたかというストレスの理由や原因は?」となるとアンケートの取り方つまり回答の選択事項、調査の目的によって多種多様あります。例えば、リモートワークのためのシステムやルールからくるもの、システムの使い方の慣れ不慣れから来るもの、家庭事情から来るもの、仲間との触れ合いから来るものと、様々な要因があるわけです。

 

これらは、テレワークをしている従業員の側から見た結果ですね。次回は、企業の側から見たらどうなるかを眺めてみたいと思います。ぜひ、引き続き読んでみてくださいね。

 

でわでわ

亀裂に楔をー若者はSNSで政治を変える

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梅雨ですねえ。この季節は故郷の京都が恋しくなるんです。京都は雨が似合う街。わたしの通っていた高校は、北嵯峨高校といって大覚寺と大沢池に囲まれた場所にあり、遠くから見ると屋根の形がお寺のように見えます。

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わたしは北嵯峨高校の2期生で、ようやく校舎が完成した頃入学しました。悪い生徒で、授業をボイコットしては、自転車で嵐山や奥嵯峨へ行って、部活(剣道部でした)が始まるまで寝たり考えに耽ったりしていたんです。高校の周辺には、そんな良い場所がたくさんあるんです。

 

中でも好きだった場所は、祇王寺でした。ここには、苔に囲まれた庭園があり、しとしと降る雨がとっても似合うんですねえ。

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さて、毎日のように政府や政治家の報道、新型コロナの報道、オリンピックの報道、とどれをとってもなんか興味の湧かない「茶番劇場」を見ているように感じるんです。いかがですか?そして、テレビを見ることがほぼ無くなりました。気持ちが暗くなり、「アホらしくなる」からなんです。見る番組は、土曜日の「旅サラダ」「食彩の王国」そして「人生の楽園」になってしまいました。

 

もちろんニュースは見ますが、見たいニュースのテーマや質を考えるとネットサービスの方が、自分で選べるという点もあって、はるかに有益ですよね。

 

世間には、「ネットのニュースなんて信じられるの?」という疑問もあるようです。確かにSNSなどで流される情報には、たくさんのフェイクもあります。テレビでも「やらせ」があったり「捏造」があったりしますよね。お金儲けが背後にあって流される「情報」には、全く中立であるものは少ない。そこには何がしかのバイアスがかかっていると考えるのが自然だと思います。

 

ことにマイノリティに関する情報は、片隅に追いやられる、あるいは隠蔽されることが普通です。意識的に情報を探しに行かないと分かりません。

 

平成2年、西暦で1990年以降の投票率を見る限り、「政治への無関心」が若者層で増大していると言われています。しかし、その推移を見ると上昇下降の傾きは、年齢関係なくほぼ同じなのは不思議です。

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若者の投票率の低さや若者の政治離れに関して、さまざまな意見がある。例えば、「政治や選挙に対する学校での教育が不足している」とか「半分の国民が現状に満足し、投票に行かないというのはある意味で幸せな国だということだ」とか。

 

2019年に内閣府が行った13歳から29歳の男女に行った調査「我が国と諸外国の若者の意識に他に関する調査」を見てください。

政策決定過程への関与について日本の若者に聞いたところ、『そう思う』(「そう思う」と「どちらか といえばそう思う」の合計)と答えた割合は「子供や若者が対象となる政策や制度については子供や若 者の意見を聴くようにすべき」(69.5%)が最も高い。次いで、「私個人の力では政府の決定に影響を与 えられない(」58.5%)「、社会をよりよくするため、私は社会における問題の解決に関与したい(」42.2%) となっている。 

 

ここから読み取れるのは、「政治が自分たちとは離れたところで政策を決めてしまっていて、自分たちを無視している」と捉えているということではないだろうか? 「社会問題の解決に関与したいが、為政者には手が届かない」と「諦め」てしまっている。

 

 「うそ、忖度、隠蔽、数の横暴」これが、高度経済成長以降特に顕著になっているのではにだろうか?高度経済成長期は、反政府の闘争も盛んだった。学生のデモ隊に、街のおっちゃんたちも加わった。一方でしっかり働き、しっかり「稼いで」成長を支えた。これが高度経済成長期でした。

 

経済が成長しているときは、同時に人々はいろいろな面でアクティブなのが、歴史の示すところです。バブル崩壊以後、成長は止まりゼロ金利の時代が続く。そして、社会が不活発になる。

 

しかし、決して若者(総称してはいけないかもしれない)が社会問題に無関心とは思えない。小さい動きではあるが、ともに考えて何かできることをしようという動きはあるし、就職ではなく起業を選んだ若者は、社会貢献を確かに意識している。

 

ちょっと待ってくださいよ、若者の意識やシチュエーションはよく理解できるが、もし何もしなっかたら一体誰が喜ぶのだろうか?誰が利益を享受するのだろうか?それは、力の強いものたちではないだろうか?

 

先日、東京オリンピック開催期間中の酒類販売の是非について、大会組織委員会が、会場での酒類販売を「検討中」と述べた。丸川珠世五輪相は閣議後の記者会見で、「大会の性質上、ステークホルダー(利害関係者)の存在がどうしてもあるので、組織委員会としてはそのことを念頭に検討すると思う」と述べた。東京都の小池百合子知事は記者団に対し、「組織委が担当として調整していると聞いている」と逃げた。

 

この事態に対して、SNSでは「五輪だけ特別なの」「ダブルスタンダードだ」などと反対の意見が相次いだ。#(ハッシュタグ)”五輪の中止”でツイートし、猛反発した。その結果、ついに一転販売を見送った(こそこそ隙間を作っているようだが)。

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ここからわかることは、2つある。1つ目は、政治を変えるのは選挙という手段だけではもはやない。2つ目は、大勢の意見を集約すれば政治は変えられるということではないだろうか?

 

しかも、SNSを使いこなせるのは若者です。大事なことは、しっかり意見を持ち、主張することですね。

 

しかも、このパンデミックで政府、行政、自治体、専門家委員会、などなど本来一枚岩であることが期待される中で、辻褄が合わない主張や言い訳の相違、つまり亀裂が隠せなくなっている。「赤木ファイル」や五輪に関する宮内庁長官経由の天皇の「開催に関する懸念」、財務省の緊縮財政論に対する経産省の積極財政論で対立など。

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こんな言葉を吐きたくなりませんか?「世も末だ」。まさに今まで是としていたシステムが機能不全に陥ってきていて、今までは「国民の目から隠しておけばなんとかできる」ということすらが通用しなくなるほどに、亀裂を生じていると考えられないだろうか?

 

私が、こういうことがわかるようになってきたのは、情報をしっかり集めて自分の中で消化し結論を出すように努力してきたからだと思っています。ですから、騙されないようにしっかり事実を分析し、「自分の頭で考える」ことがとても重要だと思うんです。

 

そして、若者には、得意な方法で「しっかり自分の意見」を発信してほしいし、「共感」を集めてほしいと願っています。